【日刊工業新聞・勝つ中小企業のものがたり?に亀山電機が記載されました】のご報告

社員との約束

20130822-01

 亀山電機の会社手帳を見れば、同社の現在、過去、未来のすべてが分かる。
数値目標や売上高、費用や利益の推移など財務情報のほか、利益処理の優先順位といった指標までが記されている。月次の数字を書き込む欄もある。
これは社長の北口功幸と「社員との約束」だ。亀山電機も2008年9月のリーマン・ショックで打撃を被った。しかし、その手帳が亀山電機を復活させた。

 創業者でもある北口はリーマン・ショック以降、多くの経営者と同様に、落ち込んだ売り上げの回復に頭を悩ませていた。
96年の創業以来、プラント設計や企業システムの構築などで業容を拡大。三菱重工業をはじめ大手顧客も獲得し、減収知らずで09年3月期を迎えていたところだった。
09年3月期は景気落ち込み前の受注残があったため、結果として過去最高の売上高6億円を記録した。
しかし、翌10年3月期は初の減収で売上高を1億円減らした。11年3月期も2期連続減収となり売上高は5億円を割り込む。ただ、前期比2000万円減で踏みとどまった。

 そんな経営環境の中で北口はそれまでの経営手法を省みた。その中から導き出されたのは「がむしゃらに勢いだけで上がっていった。振り返ってみると何もない」という答えだった。
そして「人に聞いて回り、とことん悩んだ」。結果、自社を見直す経営改善に着手した。その一つが手帳だった。

 

理念と合致

 企業理念をはじめ財務情報などすべてが記された手帳は、社長の北口や経営陣だけが持っているわけではない。全社員に配布し、情報を共有している。
そもそも同社は創業時から、経営に関する数値はオープンにしてきた。北口自身が会社員時代から「なぜ企業は社員に数字を隠すのか」と疑問を抱いていたためだ。
創業15年を前に、初めて訪れた経営危機。その危機感を社員が肌身離さず持ち歩くことでモチベーション向上につながると思い至った。

 これは社員を大事にする北口の経営理念とも重なった。数字や指標が明確ならば、社員は給与や賞与などの評価が適正かどうかが分かる。その点でも「約束」だ。

 

反転攻勢開始

 新規顧客の開拓にはさらに力を入れた。営業を強化するとともに、経営効率化の徹底を進めた。その一つが北口の出張だ。
関東・関西・九州など各地を定期的に訪問するスケジュールを年間を通してほぼ固めてしまう。それも手帳に印刷し、全社で共有する。
航空券の早期予約などでコスト減につながり、社員も社長の動きを把握し、それに合わせて業務を組み立てられる。
こうして12年3月期、売上高は5億円を回復した。ここから北口は反転攻勢に出た。

(2013.8.22日刊工業新聞より)

 

 亀山電機は、今後も確かな技術で地元長崎の発展のため、お客様と共に歩み続ける会社であり続けます。


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