Question (質問)
一般的なWi-Fiと産業用無線ネットワークの違いは何ですか?
Answer (回答)
お問い合わせいただきありがとうございます。
家庭用Wi-Fiなどの一般的なワイヤレスネットワークと、IIoT(Industrial IoT)などで使用される産業用ワイヤレスネットワークには、主に以下の3つの違いがあります。
【1. データ量と通信特性】
一般的なワイヤレスネットワークでは、主にビデオや画像、Webページなどの大量データの送受信が行われます。
これに対し、産業用ワイヤレスネットワークでは、リアルタイム性が求められる制御信号や少量のプロセスデータの送受信が重視されます。
たとえば、産業用プロトコルのPROFINETは、工場内のフィールド機器とのリアルタイム通信をサポートしており、予測可能かつ高精度な通信(決定論的通信)が可能です。
また、産業用ネットワークは工業用イーサネットを基盤としており、ゲートウェイを介した多機器の統合管理にも対応しています。
【2. 信頼性・リアルタイム性・安全性】
一般的なWi-Fiでは、多少の通信切断があっても致命的な問題にはなりません。しかし、産業用途では通信の信頼性・正確性・リアルタイム性が非常に重要です。
・PROFINET IOは、周期的なIOデータの同期伝送を保証し、信頼性の高いオートメーションを実現します。
・SIMATIC S7-1500などのPLCには、統合診断機能が標準搭載されており、電圧異常や断線、短絡などを
チャンネル単位で検出・通知できます。これにより、障害の早期発見とダウンタイムの最小化が可能になります。
・PROFIsafeは、1本の通信ラインで通常データと安全関連データの両方を扱えるため、安全性と配線の簡素化を両立します。
【3. ノイズ耐性とネットワーク構成の柔軟性】
産業用ネットワークでは、電磁ノイズの多い環境でも安定した通信を維持するため、EMC(電磁両立性)対策が厳密に設計されています。
具体的には、適切な接地処理やケーブルのシールド処理が必要とされます。
また、PROFINETは、ライン(バス)、スター、リング(冗長化)、ツリー構成、さらには無線通信(IWLAN)まで、
柔軟なネットワークトポロジーに対応しており、スイッチを活用することで、用途や規模に応じた自由な構成が可能です。
興味がおありでしたら以下のURLよりご確認ください。
▼SIEMENS公式HP
https://www.siemens.com/jp/ja/products/automation/industrial-communication.html