【日刊工業新聞・勝つ中小企業のものがたり?に亀山電機が記載されました】のご報告

三菱重工に口座

20130821-01

 2003年、亀山電機には長崎に造船所を構える三菱重工業の取引口座を開設できるという大きなチャンスが訪れていた。それは社長で創業者の北口功幸が96年に創業してから、7年後のことだった。これが同社にとって大きな転機となる。

 地場の製造業者にとって三菱重工は、企業城下町の城主。口座が開設できれば企業の信用が高まるため、企業にとって喉から手が出るほど欲しいものだった。口座を得るためには、なりふり構わない企業もあったという。

 当時の亀山電機は創業当初からのプラント設計支援事業、企業システムの構築事業に加えて、ウェブ開発などに事業を拡大。従業員40人の規模に成長していた。売上高も右肩上がりで、02年3月期の1億円突破に続き、03年3月期に1億2100万円を記録した。だが04年3月期売上高は前期比2000万円の微増にとどまっていた。そんな中で口座開設を推薦してもらえる。願ってもない話だった。

 北口はかつて、三菱重工の関連企業に勤めていた。独立後も間接的に仕事を手掛けていた。とはいえ口座は基本的に増やさない方向にあると聞いていた。伸びているとはいえ、売上高はまだ1億円規模。どう考えてもハードルが高すぎる。実際には北口は「諦めかけていた」。

 

“踊り場”越えて

 だが吉報は届いた。地場企業支援の目的に加えて、実績が認められ内部からの推薦もあったからだ。開設後に税務調査で「当時の売り上げ規模で口座が取れたのはおかしい、裏金でもあったのではないかと疑われていたようだ」と、北口は苦笑する。

 ここから亀山電機は、一度踊り場を迎えた売上高が、再びうなぎのぼりとなった。口座開設の翌年度の05年3月期売上高は、前期比約2倍の2億3800万円。その後も5000万-1億円以上の幅で増収が続き、09年3月期に記録した当時過去最高の売上高につながっていく。

 三菱重工との取引は、売り上げを大きく引き上げた。だが北口はそれに安住せず、常に新規顧客の開拓に力を入れた。05年3月期から09年3月期まで、売上高に占める新規顧客の比率は11-26%で推移。大口顧客で基盤を固めると同時に、常に売上高の積み増しを進めリスク分散に努めた。

 

独製品も扱う

 05年には、知人の紹介で独シーメンス製のプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)の販売や設計・施工を開始。08年にソリューションパートナーに認定される。この海外製品の取り扱いは、後に独リタールなどにも広がり、現在の強みとなっている。

 だが08年、リーマン・ショックが世界を襲った。攻めの経営で業績を伸ばし続けてきた北口も免れ得なかった。(敬称略)

(2013.8.21日刊工業新聞より)

 

 亀山電機は、今後も確かな技術で地元長崎の発展のため、お客様と共に歩み続ける会社であり続けます。


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